恋愛工学生の乳首と千里眼とソープランドの話
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自分に潜んでた狂気が首をもたげて
牙を剥き出し 遠吠えをあげる
もう手懐けられはしないだろう
Mr.Children♪ 『hypnosis』
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※画像の女性は本編と関係ありません
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人類が唯一クラミジアの繁殖を許した街、新宿。
初夏の湿った熱が、夜風に乗って頬をすり抜ける。
蒸したアスファルトが冷えていく特有の匂い。
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JR新宿駅。
東南口の広場。
電光掲示板は、今日もけたたましい音と光を放つ。
だが、ほとんどの人はそれに目をやる素振りも見せない。
不揃いの靴音が、喧騒と言う名の渦の中に、静かに飲み込まれていった。
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織葉(おりは)は、いつもの場所に1人立ち、その様子を見下ろしていた。
今は、あの頃の様に、足がすくむ事も無い。
声をかける前、恐怖心を3秒間だけ黙らせる。
そして、4秒前には他人だった女性の心にアクセスする。
織葉(おりは)は、そんな魔法を手に入れていた。
だけど…
時折、胸の奥がぎゅうっと締め付けられる。
たまらず、小さく呟いてみる。
「僕は、なぜ、愛されないのか?」
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相も変わらず、電光掲示板は、織葉の耳を爆音と言う名のナイフで突き刺し続けている。
流行りのロックミュージシャン。
流行りのアニメーション映画。
トレンドは消費されて、泡沫に消えてゆく。
もしかして。
織葉の手に入れた魔法も同じなのかも知れない。
ナンパで出会った女性達との繋がりも、ただ消費されゆく泡沫の運命なのだろうか?
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顔を上げると、アニメーションの世界では、ピュアな男女が手を取り合っていた。
織葉は少年時代から、アニメやロックが大好きだった。
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↓織葉のセルフイメージ
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↓実際の織葉
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そういえば…
昨日、ふと立ち寄った本屋での事を思い出す。
巷では『恋愛工学』なるものが流行っているらしい。
『僕は愛を証明しようと思う』という本だ。
しかし、織葉には必要無いと思った。
何故なら、『ザ・ゲーム』だけが、唯一のナンパバイブルだと知っていたからだ。
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…とはいえ、念のため、手に取ってみるか。
パラパラとページをめくる。
織葉の目は、とある一節に釘付けになった。
「この東京の街は、僕たちのでっかいソープランドみたいなもんですね」
次の瞬間。
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織葉は、秒速でレジに並んでいた。
織葉は少年時代から、ソープやオナニーが大好きだった。
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トルコ風呂はソープランド。
東京ストリートもソープランド。
ソープランドイズビューティフル。
ナンパイズグレイトフルヾ(๑╹◡╹)ノ"
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1人目
道の反対側に、ヒマそうな美女!
ダッシュ!
織葉「あの、恐れ入りますが、10秒だけナンパさせていただいても宜しいでしょうか?(╹◡╹)」
美女「www10秒だけなら良いですよw」
この日は幸先良く、この美女(スト値:7)をカフェ連れ出してバンゲ。
…が、どうしても用事があると言っていたので放流。
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ふぅ、思ったよりも時間を使ってしまった。
明日も朝早いし、今日のところは帰るか…
地下鉄の改札に向かう織葉。
その時、帰路を急いでいる様子のOL。
地下道は乗り換えの人で溢れていた。
彼女の真正面に立ちはだかり、声をかける。
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ビタ止め 。
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グラマラスOL スト値:5(巨乳補正 +1)
特徴:オパーイデカイ、オパーイ大きい、オパーイ、イェェェーイ!オパァァァーイ!20代後半。
織葉「お疲れさまですー(╹◡╹)」
グラマラスOL「えwなんですか?ww」
織葉「残業帰りのサラリーマンだよ。お姉さんあまりにも素敵だったんで、勇気出して声かけました(╹◡╹)」
グラマラスOL「え、絶対ウソでしょwwでも、ありがとうございますww」
地下道の端に寄せ、少し立ち話をする。
食いつきは悪く無いが、軽く連れ出しをほのめかすと難色を示す。
解ってるさ、これは警戒グダだ。
自己開示トークを挟みながら、少し和む。
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そして再度打診。
織葉「帰って寝る前に、一杯だけ、カモミールティーをご馳走させて(╹◡╹)」
グラマラス「えーどうしよっかなーww」
織葉「この時計見て?30分したら帰るから。俺だって明日朝早いからさ(^^)」
まだ少し警戒しながらも、カフェに30分だけなら、という事で承諾を得る。
どうですか?永沢さん?これが恋愛工学のタイムコンストレイントメソッドというテクノロジーですよね?…と心の中で呟く。
しかし、時刻はもう深夜に差しかかろうとしていた。
活動限界が近い。
(※注:織葉は諸事情により、終電までに帰らなくてはならない)
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スタバ in
本日、短時間の間に二連れ出し目。
二杯目のコーヒーをがぶ飲みする織葉。
すでに、お腹がたっぷんたっぷんになっていた。
今日は即は時間的に厳しいだろうと判断していた。
ここは和みに徹しよう。
当たり障りない世間話をする。
彼女は普通のOLをしている。
前はクリエイター系の仕事をしていたらしい。
最近は恋愛はご無沙汰とのこと。
グラマラス「仕事は何してるひとー?」
グラマラス「彼女はどのくらい居ないのー?」
和んでみれば、IOIをビシビシと感じる。
だがこの日は時間に余裕が無く、彼女を改札に送り、解散。
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そして数日後、深夜に電話をしてみた。
織葉「しもしもー?今から遊ぼ(╹◡╹)」
グラマラス「えーもうお家帰っちゃったー!あと30分早く誘ってくれれば良かったのにー!来週会おうよ♪」
織葉「うん、じゃあ○○日の木曜日は?」
グラマラス「いいよー♪」
…
そんなこんなで、再会の日がやってきた!
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人類が唯一、クラミジアと共存する街、渋谷。
渋谷駅前のスクランブル交差点は、平日にも関わらず人でごった返していた。
外国人が自撮り棒ではしゃいでいる。
無表情で足早に歩く若い女性。
過剰な大声と奇声を発する若者のグループ。
それらの人々が、規則的に交わっては消えてゆく。
今日も街は平常運行のようだ。
…
そして、人混みの中、織葉は彼女を見つけた。
織葉「お待たせ(^^)/」
グラマラス「ううん、大丈夫だよ!」
織葉「今日は、この前と服装の感じ違うねー!前は黒っぽい感じで、今日は白だから、清楚バージョンだねw(╹◡╹)?」
グラマラス「うーん、でも、今日は服装失敗したと思って…ピッタリした服を普段は着ないようにしてるから…w」
織葉「そう?よく似合ってるよ」
グラマラス「ありがと」
ピタッとした服を避ける理由。
控え目な性格の彼女の事だ。
織葉には察しがついていた…
花柄レースのタイトなシャツの中で。
ソレは確実に強調されていた。
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そう…
織葉は血走った目で、両胸のクラウンメロンを凝視していた。
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予約していた店に向かう道すがらの会話。
どうやら、事前に電話メンテしていた事もあり、織葉に少し親しみを感じてくれている。
これは、恋愛工学で言うところのCフェーズってやつですよね?永沢さん?…と心の中で呟く。
アポ開始のテンションとしては、まずまずのスタートラインだと言えた。
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予約していた個室居酒屋 in
からの…
乾杯!
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改めて、お互いの話をしていく。
クラウンメロン子は山国の生まれ。
クリエイターを目指し学生時代から上京していた。
来月、某地方に転職が決まっているとの事。
ちょいちょい変わった所も見受けられるが、ごくごくマトモな常識あるOLだった。
ふんふん、と織葉も普通に話を聞いている。
場も温まり、少しづつ彼女からのIOIを感じ始めている。
その時…
クラウンメロン「ワタシ子供の頃から、超能力があるんです」
織葉「理解不能理解不能理解不能((;゚Д゚))))」
…
…
しかし、そこはスタンド使い織葉。
決して慌てる事なく対応する。
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織葉「お、俺も解るかもなぁ〜。スタンド使いはスタンド使いに惹かれ合う。なんてね?ww」
エスパー「子供の頃から、目を瞑るとワタシだけに見える、遠い外国の風景があったの…」
織葉「いや、そのスピリチュアルトークまだ続けるんかいっ((((;゚Д゚)))))))」
…
トークを切り替えすんだ織葉!
恋愛工学生は、いつだってイリュージョニストさ。
織葉「じ、実は俺も超能力を持っててさ。手相を見れば恋愛運が占えるんだー」
エスパー「えー見てみてー♪」
織葉「おおー!?これはねぇ、良いねーすごくいい!イイネーイイヨーうんうん」
手相を観る。
そして、ドサクサにまぎれて髪に触れる。
彼女の髪をかきあげる。
耳の辺りはピアスのせいか、少し肌が荒れていて、彼女は嫌がる素振りを見せる。
しかし、その場所に、織葉はためらいなくキスをした。
…
続いて唇にキス。
ちょっと変わった女性だけど、彼女はすごく優しい。
そして、とても良いおっぱいを持っている。
…
織葉「ねえ、この後、デザート食べない?(╹◡╹)ハーゲンダッツをコンビニで買おうよ♪」
なんのヒネリも無いアイスルーティン。
これはコンビニで買ったハーゲンダッツというフレーズがポイントだと思う。
例えば…
「え?どこで食べるの?(ガチ)」
「いやいやw食べないでしょ(笑ってない)」
…とか返答してくる場合は打診失敗のサイン。
その場合は和み直すか放流だ。
…今回は?
エスパー「え、やったー♪食べたーい♡」
この暗黙の了解が、織葉は好きだった。
…
↓織葉の祖母
…
コンビニ in
ハーゲンダッツ(マカダミアンナッツ味) 購入。
コンビニ out
からの…
ホテル in
部屋に入るなり、腕時計に目をやる。
終電という名の活動限界が近づいていた。
いや、てゆーか…
…その事以上に。
…
…
さて、突然だが、ここで一つの事実を伝える必要がある。
織葉はドMの変態である。
そして彼女は、スピリチュアルな一面はあるものの、清純で優しい女性だった。
織葉の全てを受け入れてくれるだろうか?
それとも、毎度お馴染みの拒絶だろうか?
この焦燥と高揚と恐怖が入り混じったトキメキが、織葉は好きだった。
…
…
織葉「僕の乳首をイジめてください」
エスパー「えっ!??」
…
…
織葉「お願いします!!僕の乳首をイジめてください!!」
エスパー「は、はぁ・・」
織葉の乳首をつねる彼女…
織葉「もっと…もっとお願いします!!」
力いっぱいつねりあげる彼女…
…
…
織葉「もっと、もっと…お、お願いします…」
エスパー「こ、こう?てか、痛くないの?」
織葉「い、痛っっ。き、気持ちいいです…」
エスパー「あ、そうなんだ」
織葉「あ、はい…」
…
そして夜は更けてゆく…
…
…
…
…ホテル out
駅まで手を繋いで歩く。
来月から、遠い地方に離れてゆく彼女。
エスパー「ねえ、また会える?」
織葉「会えたら良いね」
エスパー「でも、遠いよね」
織葉「いつでも会えるじゃない?得意の超能力でさ」
エスパー「あはは、残念!それは大人になったら、使えなくなっちゃったの」
織葉「なんだ、そうだったの…」
エスパー「うん、残念…」
…彼女が何に対して『残念』なのか、聞く事はしなかった。
人もまばらな渋谷のスクランブル交差点。
繋いだ手と手が、少しづつ離れていく。
街は、そんな2人にはまるで無関心なまま、夜の残骸を朝に運んでいく。
今日も街は平常運行のようだ。
エスパー「バイバイ!楽しかった♪」
織葉「バイバイ!ありがとう」
…
…
…そして、翌朝
…
緊急事態である…
昨晩、散々イジめられた乳首から…
織葉のビーチクから…
出血!
…
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織葉「今日は病院寄ってからソープで抜くか」
おしまい