元単体AV女優と仮想現実における、量子的実在論についての考察
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安直だけど純粋さが胸を打つのです
分かってながら僕らは猥褻
情報過多で簡略化だぜ 文明の利器は
僕らをどうして何処へ運んでく
Mr.Children♪ 『旅人』
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※画像の女性は本編とは無関係です
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土曜日の昼下がり。
今にも泣き出しそうな空の下。
まるで、夏が来るのを焦らすように、梅雨の気配が空気中に、息を潜ませていた。
…
こんな時間にナンパ出来るなんて、いつぶりだろうか?
織葉(おりは)は物思いに耽り、JR新宿南口に佇んでいた。
※織葉はワケあって、普段、平日の夜〜終電のみの、厳しい活動限界が科せられている
…
夕べ、『ザ・ゲーム』という本を読んでいた。
その中で、カリスマナンパアーティストのミステリーはこう言った。
「俺はブスを拒まない。男も拒まない。拒むのは、ヤリたい女だけだ」
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正直シビれた...
シビれまくっていた...
これがアメリカ。これがPUA。
否が応でも、織葉のセルフイメージは高まっていった。
↓織葉のセルフイメージ
↓実際の織葉
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織葉は静かに空気を大きく吸い込んだ。
そして、ゆっくりと吐き出した。
心地良い緊張感が、身体いっぱい広がるのを味わう。
微かに鼻腔をくすぐる、初夏の匂い。
さあ、最高の女性と最高の恋をしよう。
たとえそれが、儚い虚構の夢でもかまわない。
刹那のトキメキを抱きしめたいのさ。
さあ...
…
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道ゆくぴちぴちギャルに声をかけていく。
1人目 シカト
2人目 シカト
3人目 シカト
フットワーク軽快に行くぜ♪
4人目 シカト
5人目 シカト
6人目 シカト
ヘイヘイヘイィー♪
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10人目 シカト
うぇいうぇいうぇいー(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎
11人目 シカト
12人目 シカト
13人目 シカト
14人目 シカト
15人目 シカト
16人目 シカト
17人目 シカト
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20人目 シカト
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30人目 シカト
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33人目
遠くに目をやると、周囲の人混みよりも、ゆっくりと歩くお姉さん。
知ってる。『タートルレディ』って言うんだろ?
すかさず声をかける。
織葉「あの、お急ぎのところ恐縮です。10秒だけナンパさせて頂いても、宜しいでしょうか?(╹◡╹)」
お姉さん「...」
...またシカトなのか?
いや、答えはNOだ。
彼女の口角が、僅かにニヤリと上がっていたのを、織葉は見逃していなかった。
すぐに、早足で後ろから追いかける。
...
...
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バック...
カバディ!!
...
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ビタ止め。
織葉「お姉さん、遊ぼうよー(╹◡╹)」
お姉さん「もう、分かったよww ハイハイ10秒だけねww」
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ミステリアスセクシー (スト7)
特徴:整った顔立ち、多分元ギャル、アラサー、露出少ないのに謎のエロティック。
織葉「何してんの?(^^)」
ミステリアスセクシー「今から、合コン行くのー」
織葉「えー、そんなの行くより、俺と遊ぼうよう(╹◡╹)」
セクシー「いやいや、もうすぐ皆集まるしww」
仕方なく平行トークに移行。
世間ズレしてるタイプなのだろうか。
コミュニケーションのテンポが織葉と噛み合いにくい。
なんだかんだ、10分くらい歩いて、目的の店に到着。
織葉「そんじゃ、俺はこの辺で。合コン頑張ってね。良い男いるといいね」
セクシー「え、普通はここで、連絡先交換するんじゃないの?ww」
織葉「ああ、交換したかったの?w それなら、教えてあげるけど?」
セクシー「なにそれw」
LINE交換
織葉「ま、合コンにいい男が居なければ連絡して来なよ」
セクシー「はーいw」
...
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ヘイ、ミステリー!今のを見てたかい?
俺のネグも少しはサマになってきただろう?
...
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その後も、引き続き、街で声をかけ続けていた。
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そして、数時間後...
さっきのミステリアスセクシーから着信アリ♪
セクシー「合コンつまんなーい」
織葉「だから俺と遊べば良かったじゃん(^^)」
セクシー「早く帰りたーい」
織葉「俺、まだ新宿居るから、抜けちゃいなよ(╹◡╹)」
セクシー「んーもうちょい、終わんなそう」
織葉「終わったら、また連絡して」
セクシー「分かったぁー」
...
しばらく後、無事に合流。
彼女曰く、二次会を断ってきた手前、新宿からは離れたいとの事。
よって西東京方面に数駅行ったローカル駅へ向かう。
彼女の家の近くとの事。
織葉「カラオケでも行こっか(╹◡╹)」
セクシー「いいねー」
道すがら、身の上話をした。
彼女は昔は役者を目指していたらしい。
諦めて一般職についたものの、今はもう一度夢を目指してるらしい。
「生活はカツカツで大変だけどね」と彼女は苦笑した。
夢に真剣に立ち向かうということは、その夢が破れてしまう可能性も引き受ける事だと、織葉は思う。
大抵の人は、その現実に直面する事を避ける。
夢は夢のままで見ていたいと考え、やがては忘れ去ってしまう。
だから、彼女は強い人なんだと織葉は思った。
そして、彼女にもそれを話したと思う。
彼女は何も言わなかった。
月だけが2人を見ていた。
...
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カラオケ in
終電まで2時間余り。
今日は活動限界(終電)リミット解除も辞さない構え。
織葉「少しゆっくり話そうよ(^^)」
セクシー「えー歌いたいー」
織葉「じゃ、じゃあ少し歌おうか(^^;」
非常にまずい。
掴み所がなく、主導権が握れない。
...だが
歌がひと段落した所で、距離を詰める。
あたまナデナデ、しようとするも。
柔らかく、しかし完全に拒否。
ダメだ、全く食いつきが感じられない。
...
刻一刻と過ぎゆく時間。
...焦り始める織葉
...
なんとか雰囲気を作ろうとするも、ヒラリとかわされてしまう。
...タイムアップ
カラオケ out
しまった、粘りすぎた...
終電はもう無い。
織葉「(´-`).。oOこうなったら、雰囲気の良いバーか何かで仕切り直して、延長戦だ。ゴール地点は彼女の家。いける!」
...だがしかし
セクシー「私、もう帰るね!ありがとー」
織葉「え?嘘でしょ?ひどいよう、置いてかないでよう(/ _ ; )」
セクシー「この後、友達の家行くから!バイバイ」
もちろん、あれやこれや粘るも...
取りつく余地も無く...
屈辱の逆放流。
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ローカル駅で立ち尽くす織葉。
...だけど
反省なんか、後からいくらでもできる。
ローカル駅とは言え、人はまだ歩いてる。
都心からの飲み会帰りを狙うんだ!
諦めるにはまだ早い!
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しかし、明らかに不審者と間違えられる織葉。
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やがて人もまばらに。
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そして、街は完全に死んだ。
結局、その日は始発で帰った織葉であった...
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...時は流れ、数ヶ月後
織葉は自宅で、過去に収集した女性達の連絡先に、ザオラルLINEを送っていた。
そして、ふと、タイムラインを見ると、例のミステリアスセクシーお姉さんが投稿していた。
織葉「(´-`).。oOハハ、懐かしいな。前にこの人に負けて、散々な目にあったっけか」
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ふと気になり、投稿の内容から、名前をグーグル先生で検索してみる。
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結論から言おう...
ミステリアスセクシーお姉さんは...
元有名単体AV女優だった...
光の速度で『xvideo』(アダルト動画サイト)へアクセス。
やはり間違いない。彼女本人だ...
そして...
右手にTENGA。
左手にはペペローション。
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元単体AV女優...
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バーチャル準即
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織葉「ふう、これが今話題のVRってやつか」
おしまい